理不尽
息子のことが好きだ。
恐らく異常と言って良いほど好きだと思う。
暇さえあれば息子のことを考えている気がする。
かと言って、何でも許せるほど甘くはない。
特にスポーツにおいては。
上手いとか下手とかの話ではない。
向き合う姿勢。仲間への意識。自分の向上心。
自分が経験してきたスポーツの世界には理不尽があった。そこでなす術なく流された経験は人生には役に立っている。
平等、多様性、個性、色々と言われている社会になった。差別は論外であるが、区別と理不尽は人生に必要だと思う。
特に今のような、親やテクノロジーが馬鹿製造機になりやすい世の中には。
スポーツには理屈や努力だけではどうしようもないことがある。でも、それを覆すシーンを何度も見てきた。無理が通れば道理がひっこむ、ということは世の中にある。なら、諦める前に、道理に屈する前に、理不尽でも、屁理屈でも何でも、自分の信念と合わせて通してしまえば良い。簡単ではないが、これは浴びた理不尽にしか使う理不尽の貯蓄は出来ないと思う。少なくても経験上は。
息子くんにはしっかりと理不尽を身に染み込ませて、自分でもがいて成長して欲しい。
木曜日、週末の試合前の最終練習は論外なものだった。
5、6年生+OB中学生合わせて30人近い中、崩れた雰囲気を一人で変えられる5年生なんてドラマでも見たことない。
でも、練習後に息子くんには、理屈では指先一本が触れられる位の目標を、理不尽に伝える。
指先一本かかればシュートはずれて、勝ちをもぎ取れるスポーツをやっているのだから、指先一本、目指せるでしょ、と。
今日は試合日。
いつものように見守って、会話はお手紙で。