結果を出す。存在を示す。
1試合目はいつもの起用の流れ。
息子くんも練習試合での1Qとフレンドリーマッチの後半で出場。
体の切れも悪くないし、現状の能力をそのまま発揮。この所の定番、チームはピリッとしない。技術と言うより、覇気がない。試合結果は1ポゼッション差での負け。
勝った相手チームは、勝ちをもぎ取った瞬間にガッツポーズと歓喜!負けたこちらは、何事もなかったのごとく淡々と。
試合中も同じ。この一本を!このワンプレーで!仲間と一緒に、というのは相手チームからしか感じない。パスが通った、通らなかった、ドリブルで抜けた、抜けない、シュートが入った、外れた、を淡々と繰り返して流れも波も無い試合運び。
2試合目にとのインターバル(女子の試合中)、チームとして一緒の場所に固まっていたが、試合に戻ってきたときの変化の無さに、正直、2試合目も同じ結果であることを悟った。
そして、その通りの展開。
1試合目同様に監督の指示、激は飛んでいる。選手はうなずくも、反応、変化は全く起こさない。こちらのチームは監督の声がコートで一番響いていた。というか、選手のコミュニケーションは皆無の状態。やらされ感溢れるナンバーコールだけをやっていた選手も少なくない。
せめて声を出すなどは技術に関係ないことの方が多いのに、と単純に思う。
では、何故やらないのか?
やらないのかは、メンタルに属するものなので、おそらく選手たちは自分の持って行き方を知らないのであろう。これも知識と練習が必要なこと。
何故できないのか?
できないのかは身体能力の問題。明らかに身体の動かし方を学んでいない選手が多い。体力が無く、メンタルを意識していないから淡々としかできないのかも。だから100点は取れるが105点は取れない。そして一番多いのが、平均点の70〜80点程度。だから、予めの勝敗予想は覆せない。覆されることはあったとしても。
しっかりと教えてあげたいな、と思ってしまった。でも、選手は望まないのかも知れない。出来ることを出来るだけで満足のケースも少なくないのであろう。
自分自身は勝ちたい、上手くなりたい、身体が小さいなどのデメリットを跳ね返したい、などと常に強い、勝つ、負けない、ことに執着したスポーツしかやってこなかったから、そのイメージが、気持ちがわからないのだと思う。
話を息子くんへ戻す。
チームはいつも通り(少なくても最近の)で、声も出ていない、気持ちが前に現れていない、常に淡々と。
第4Q残中盤、続いている接戦に少し差がつき始めそうな雰囲気。こちらが崩れはじめて、相手が流れをつかみそうだ。元々、実力は均衡している。なので、流れは重要だ。しかも1試合目も、勝ちへの執着心で持っていかれた(様に僕は感じている)。
監督が動いた。なんと、キャプテン、副キャプテンを含めた6年生を3人を一気に変えたのだ!びっくり!
入れ換えは息子くん含めた5年生2人と6年生。
この試合、熱中症対策もあり、各Q(5分)、半分の2:30で強制休憩が入るルール。
なるほど、直接指示を出すために下げて、残りの2分半で勝負か?
なら、息子くんに期待。監督に見せつけろ!もらった1分で、監督を、こいつは代えたくなくな、としてしまえ!と。
彼と相棒の5年生も気合い十分のようだ。2人が、試合に出れる喜びをコートに持ち込んだように見えた。2人は良くコミュニケーションを取っていた。ナンバーコールの声もプレーとプレーの合間に、次は自分がこっちへ、お前はあっちへ、と、お互いに声が出ていた。
いきなりスーパープレーを連発できるわけではない。しかし、明らかに放れ始めた流れをイーブンに戻し、一気に押し始める兆しをみせた。
そして、2:30になり、休憩に入る。
ベンチにもどり監督の指示を聞く。そして、そのままコートに戻る!3人とも!
監督が勝負に出た。キャプテンや副キャプテンには刺激の強い、リスクの高い勝負。監督の立場なら、この勢いで逆転すればチームの核を否定して結果を残すことに。このままズルズル負けたら、外されたメンバーが低レベルのまま勘違いをしかねない、押すも引くもリスクを伴う。そんな状況で手にしたチャンスだ!
息子くん、思う存分やれ!と心で叫んだつもりが、声も出して激を飛ばしてしまった。しかも何回も。。。。
結果、活躍した。そして、のこり20秒を切った段階で3点差のリード。相手もヒートアップしているが、息子くん、強引にドライブかけてシュート。
外れた。確かに周りから見ていれば、逆サイドに点取り屋のセンターがいたのでパスの場面。走っていたのもパス出しのコースだったから自らタフショットにしていたし。
監督も、そこはバスな!シュートするならゴールへ縦に着れ混まないと!と、激を飛ばしてくれた。
でも、僕は息子くんの強気が嬉しかった。1試合目では迷ったあげくに見え見えのパスを出してカットされた。でも、今回は強引にドライブ行った、行けた。それはすごいことだ。
息子くん、よくやった!
そして、試合はそのまま終了した。
勝つことに慣れすぎているチームだから、練習試合ごときじゃ歓喜はしないのか。でも、今日の勝ちは少し違うと思った。チャンスをもらった5年生2人は結果を出した。自分を示した。何点取ったかとか、スーパープレーをしたかではなく、試合を引き戻した。動きと声とコミュニケーションで。
6年生の足首を掴んだ音がした。本気の11歳なら伸びしろは絶えず産み出せる。
息子くんは今日から3週間、チームからは放れてのサマーキャンプを楽しんでくる。帰ってきたら、またバスケットボールに向き合う日々だろう。相棒くんはトレーニングを続けてくれるだろう。
これで秋もたのしみだ。
チームが歓喜しなかった代わりに、親子で祝勝会を。
結果をだしたら、本気で向き合ったら、誰かから認められる。これが当たり前であって欲しい。厳しいことは山ほど言うが、全力で取り組む選手には応援、称賛を惜しまない。
さぁ、息子くん、相棒くんと一緒に上級学年を脅かしに行こう!下が上を突き上げる。強いチームには必ずある。その芽が見えたことが嬉しい。
そして、監督の心意気にも感謝。