子育て=親育て(半学半教)RD2994’s diary

息子へ伝えたいこと、自分に残したいことを、人生初めての日記

急成長 

3月下旬の大会へ向け準備は進む。少なくても時間は進んでいる。新型ウィルスの件で、大会の開催に不安もあるが、何も変更は出ていない今は、通常で動くしかない。

そんな週末の練習で、目に留まった一人の選手がいる。5年生の彼女はチームの中でも非常にまじめなタイプ。これまでも言われたことを一つ一つしっかりとがんばっていた。しかし経験の浅さもあり、6年生や器用なタイプの選手と比べると、目立てない感じもあった。でも、前から、声をかけて来る質問や取り組む姿勢から、必ず殻を破ってくるとは思っていたが、このタイミングでこんな感じでは想定していなかった。すばらしいサプライズだ。

 

女子チームは4-6年生が15人(6年生:7人)、キャプテンおよびリーダー格がしっかり、はっきりしているので数か月前から6年生中心に形ができ始めて来た。しかしチーム内での実力差はあり、試合を想定した6年生中心の5人(1st チーム)対その他のメンバーで試合形式の練習をするとその差は歴然であった。5対5ではもちろん、個々の1対1で歯が立たず、正直、1stチームメンバーには練習になっていない事もあった。

しかし、今週末の衝撃は、試合形式の練習で、5年生の彼女が6年のAceのマークとして10分も20分もついていけている。もちろんまだ、10回中9回は競り負ける。でも、これはとんでもない成長だ。今までは、そもそも競えてすらいなかった。マークに着く事すら難しかった。何よりも凄い成長が、この10回中という10回が、今までなら5分間の練習で成立してしまっていた。しかし、今週末の練習では、なかなかこのAceにボールを入れられない。10分やってようやく10回のチャンスがあるかどうかという所だ。昨日の練習では、彼女の代わりに6年生(受験で一時期活動を休止していて、最近復活)がマークについた。同じ10回中9回競り負ける状況であったが、要した時間も内容もまるで違い、5年生の彼女の成長を目の当たりにする。

更なる衝撃は、2階の練習の中で、オフェンスで2回、ディフェンスで1回、5年生選手がこのAceに競り勝った。そのこと自体もすごい事だが、ドリブルでかわされた時にAceが見せた本気の悔しい表情が全てを物語っていた。

このAce、なかなかのポーカーフェースで感情はあまり表に出さない。常に安定安心のタイプ、でも抜かれた時に思わずコーチ陣からも歓声と拍手、そして「Ace、やられたな」の声に、珍しくはっきりとわかるほど、グッと噛み殺した表情をした。この瞬間を見れて、2つ事がうれしかった。

まず、これでAceのギアがまた1段上がり、練習がさらに引き締まり、このAceとシンクロしているキャプテンのギアも自然に上がる。この2人を中心に女子チームはつくられているので、大会へはもちろん、次年度に向け、下級生へのよい刺激が広まる。

もう一つは、この成長は、練習ための練習になっていない証拠であること。意識をしていてもやはり、実力差が明確になってしまうと、実力が高い方が成長するための練習に集中するのは難しい(高校生でも難しいレベルで、強豪チームは1軍~◎軍とかレベル分けをする事が多い)。その差がこのタイミングで急激に詰まったことで、6年チームを押し上げるライバルが出て来た事は何事にも代えがたい程、貴重なものである。

 

急成長と言えども、バスケットボールを分かる人から見れば、もちろんまだまだな所の方が多いのであろう。しかも、一部のコーチを除けばこの急成長に対しての評価も低く、チーム内でもっと取り上げて欲しいとも思ってしまう。そんな気持ちが出てしまったのか、彼女が昨日も「観ててどうですか?」と質問に来た際には、「Aceとのマッチアップ、見てて楽しいよ。ついていけているのがすごい。このAceとも後1ヶ月位しか練習できないから、遠慮したらもったいないよ。もらえるものは全部受け取るように向かっていこうね」と声をかけた。この声のおかげでは無いのは分かっているが、その後しばらくたってから、Aceの本気のディフェンスを交わしてシュートを決めた! もちろん再びの歓声が挙がった。僕もこぶしを握りながら、2人の顔を確認。2人とも大きな表情の動き無し。この集中力、確実に実力を身に付けるチカラになる。1人の急成長がチームの成長を、そして、また別の成長のきっかけをつくりそうだ。